ジルコニアについて

ジルコニアってなに?





ジルコニアの化学式はZrO2(酸化ジルコニウム)。
ジルコニアに安定剤を添加することにより、耐熱性セラミックとして広く活用されています。


複合材料としては、セラミック製刃物、スペースシャトルの耐熱タイル、自動車競技F1のディスクブレーキ、さらに医療用としても10年以上前から人工股関節の骨頭などに応用され、優れた生体親和性と非常に高い強度をもっています。

強度においてジルコニアに匹敵するセラミックは他にはないという利点の反面、「ジルコニアは手間のかかるCAD/CAM(コンピュータープログラムによる材料の削り出し)システムでのみ加工できる」という事実が、この優れた材料を歯科分野での利用を妨げてきました。

しかし最新のCAD/CAMシステムが開発され、2007年より日本でもジルコニアを利用できるようになり、今までは1本だけしかできなかったオールセラミック修復が、歯科学史上初の前歯、臼歯両方のブリッジを制作できるようになりました。


ジルコニアオールセラミックの特徴と利点について
  1. 従来のメタルセラミックの補綴物と比較して、卓越した審美性
非常に優れた強度に備え、かつ半透明な光特性により、天然歯のような自然な外観を得られます。

 今までは白い歯をかぶせる時は、内面に金属を用いることが大前提でした。残念ながらこの金属の裏打ちが入る ことで自然感あふれる白い歯を作ることには制約が多く限界がありました。

しかしジルコニア冠にすれば、金属の裏打ちの無いオールセラミックとなり、視覚的にも歯に似ているため、天然歯の複雑な光の反射を再現できるようになりました。
メタルボンド冠(金属の裏打ちあり)の透過光(左)
ジルコニア冠の透過光(右)
金属を使用しないので光の透過性が高く
天然歯と見分けがつかないほど自然です

歯に芯を立ててジルコニア冠を製作する場合、より良い審美性のために芯は、金属製ではなくファイバーを使ったものとなります。

ファイバーの芯の利点は金属性の芯と違って、光をある程度透過させること、金属イオン流出も無いため歯を腐食させず、芯自体も象牙質の硬さに近似しているなどの理由により、歯の土台部分が折れにくく、黒く変色することもありません。ただし保険外診療となります。

2.優れた物性
 A)従来のオールセラミックの2倍の曲げ強度です
2006年従来の歯科用セラミックの約2倍曲げ強度である、1121Mpaを超えるジルコニアコーピングの登場により、審美性、強度ともに優れた臼歯部補綴が可能となりました。

強度的には金属材料に匹敵し、金属フレームに代わる材料“白い金属”とよばれています。

その結果今までの白い歯は金属の裏打ちがないとブリッジ(長い被せもの)がほとんどできませんでしたが、ジルコニアならそれが可能です。
 B)ジルコニアは金属の1/3と軽量です
従来のセラミックの2倍の強度を持ちながらも、比重は歯科用貴金属の約3分の1と軽量です。
3.体に優しい新材料です



メタルフリーであるため、生体親和性が高く、金属アレルギーの心配も非常に少なく、歯グキが黒くなったりしません。

また、プラスチックのような材料でもないため、プラークも付きにくく、変色の心配もありません。

高い酸素値による理想的な生体親和性があります

【成分】
  ZrO2  94.4%
  Y2O3   5.4%
 (ジルコニアの安定剤)
  
その他  0.2%

4.一貫した品質保証により適合性が良い

結晶構造は部分焼結の段階ですでに最適化され、原材料全体が均一化されています。しかしこのように手の込んだ製造法でも、ジルコニアブロック製造時に生じる個々のブロックごとに残念ながら微妙に収縮量が違います。個々に違う収縮量データもバーコードで管理、活用され、適合性にばらつきのないの良い被せものの製作が可能になりました


ジルニアで ブリッジ(長い被せもの)も出来ます
 

残念ながらオールセラミックをブリッジ修復に応用できる道はそれほど平坦ではありませんでした。

というのも多くの製品が今までに開発されてきましたが、比較的高い確率で被せた冠が割れてしまうという問題があり、ブリッジをオールセラミックですることはほとんど不可能でした。

しかしジルコニアが利用できるようになり、前歯、臼歯両方のブリッジ制作が可能になりました。


ジルコニアの耐久性について
  ジルコニアの歴史がまだ浅いため評価は、まだ定まっていませんが、現時点ではジルコニアとメタルボンドの破折率は同率であると考えられています。
メタルボンド冠が長期の装着によって交換されなければならないのは、メタルボンドの破折によることはごく稀で、ほとんどが暗色の金属縁が露出したため、あるいは黒く露出してきた根っこがむし歯になったためです。

この暗色の金属縁が露出して審美性を損なう変化はオールセラミック冠では起こらないか、少なくともそれほど生じません